社長インタビュー|創立50周年は「第2創業期」の幕開け。 “ゼロ回答”しない誠実なサービスを。

2026年7月に50周年の大きな節目を迎える流通株式会社。
SMILE、FRIENDLY、KINDNESSの精神のもと歩んできた半世紀を振り返りつつ、今後の展望を代表取締役 江原剛に聞きました。

創業50周年、改めて初心に返る

 Q.これまでの歩みを振り返り、感じることは?

 2026年度は創業50周年の大きな節目になります。50年続く会社というのは決して多くありません。多くが途中で消えてしまう中で、ゼロからスタートし、お客様に一歩ずつ支持されて今がある。これは今のメンバーも含め、先輩たちがお客様のリクエストに必死に応えようと努力してきた結果だと思っています。

ここ数年、鳥取中央物流センターの「RYUTSU-PLEX」、そして「HOTEL星取テラスせきがね」と立て続けにオープンしていますが、創業期のような本当の意味でのゼロベースからのスタートは、どの社員も体験したことがありません。だからこそ、この節目に改めて初心に立ち返りたいと考えています。

 

Q.流通の「初心」とは?

初心に返って、改めて目指したいのは「お客様に対してゼロ回答しない会社」。これを2026年のテーマにしたいと考えています。物理的にできないことは当然ありますが、相談されたことに対して、何も進展がないままお返しするようなことはしたくない。それは、創業期では絶対にしなかったはずです。流通が培ってきた粘り強さを改めて社員一同で意識し、「相談してよかった」とお客様に喜んでいただく。その瞬間を、全ての仕事で作っていきたいと考えています。

50年というのは特別な節目。社員のみんなと思いを共有し、未来に意識を向けられるような記念イベントを開催したいですね。

 

組織の“壁”を取り払う情報共有の仕組みづくり

 Q.どんな風に思いを浸透させている?

事業規模が大きくなることで一番怖いのは情報共有が難しくなることです。現在は6つの事業所に分かれており、業態の都合上、全員がリアルに集まる機会は年に2回しかありません。そこで、数年前から「経営方針勉強会」という場を毎月1時間10コマ設け、社員はどこかの1時間にオンラインも含めて参加しています。

当初は私が経営方針を伝えるスタイルでしたが、昨年からは部署をミックスして意見交換を行う双方向の形に少しずつ変化させています。また、こうした真面目な勉強会だけでなく、リラックスして交流ができる食事の機会も大切です。最近は、どちらかと言うと若い世代のほうが対面でのコミュニケーションを求めていると感じます。食事会や夜の飲み会、サークル活動、家族参加の親睦行事への補助なども積極的に行っているので、ぜひ活用してほしいです。

 

 「第2創業期」は新規事業開発の加速を目指す

Q.50周年のほかに、もう一つの節目も迎えますね。

実は2026年は、私が社長になって20年の年でもあります。順調にいけば売上は就任時のほぼ倍になりますが、次の20年も同じ方法で生き残れるほど甘くはありません。この節目を「第2創業期」と位置付け、次の20年、50年へと続く新たなスタートを切りたいと考えています。

Q.具体的に考えている展開は?

既存事業を太くしていくのはもちろん、新規事業開発を加速させることを目指しています。現在、多様な事業を手がけていますが、「地域密着型のサービス業」という点で一貫しています。そのコアコンピタンスはSMILE(笑顔)、FRIENDLY(親しみやすさ)、KINDNESS(親切)の3つ。とてもシンプルであり、この軸から展開できる事業は、まだまだあるはずです。

 

Q.現時点で構想中のものはありますか?

例えば、自治体が運営する公共施設で、指定管理者の民間事業者が相次いで撤退するケースが増えています。私たちも「HOTEL星取テラスせきがね」の指定管理者ですが、地元の方に知っていただいている企業だからこそ、逃げ場はなく、覚悟を決めて攻めの経営で臨んでいます。背水の陣と言っても大げさではないのですが、ここで運営を成功させ、ノウハウを蓄積することは、必ず次の展開につながるはず。事業転換の大きな可能性を感じています。

人の「質」が未来への成長の鍵。

Q.新しい挑戦に欠かせないものは?

われわれはサービス業ですから、新規事業開発を進める上で「人」の存在がもっとも重要。コアコンピタンスに共感できる人が集まることで、新規事業をスムーズに始動できます。それは、第2創業期をスタートさせる上で、欠かせない要素です。

今のメンバーにパワーアップもしてほしいですし、新たな人材にも加わってほしい。年齢や性別、キャリアは問いません。例えば、50代で入社してからバスの免許を取る方もいます。さまざまな人材が、それぞれの適正に合った環境で活躍していることは、この会社の大きな特徴です。また、ライフステージに合わせて働き方や部署を変えることも、多彩な人や事業を展開していればこそ柔軟に対応することができます。

 

Q.2026年はターニングポイントの年になりそうですね。

今はまさに、次世代への承継を見据えた経営の舵取りが求められる時期と言えます。世の中の流れとして、今までのペースを超えて成長する企業でなければ、今後残ることはできないでしょう。特に山陰両県は人口減少が進み、厳しいことは間違いない。その時に、成長の鍵を握るのは「人」であり、「数」よりも「質」ということ。うれしいことに、毎年多彩な人材が集まってくれているので、この流れを止めることなく成長につなげていきたいです。

また、ICTやAIといった最先端の技術を積極的に活用し、効率化できる部分は効率化する。そして、最後まで残る「人でしかできないサービス」に、より多くの情熱を注げる組織にしていきたいですね。

 

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