今明かされる?! ガイナーレバス誕生の秘話【前編・ガイナーレバスを作る!】
流通の米子店には、地元のサッカーチーム「ガイナーレ鳥取」のデザインを施したガイナーレバスがあります。ガイナーレ鳥取チームの遠征で走ったり、小学校の登山バスに使っていただいたり、いろいろなところで活躍しています。
どうして流通のバスがガイナーレバス仕様なの? 社長の一声で導入が決まった?
以前から気になっていました。
ガイナーレバスの導入には、実は、当時米子にいた女性スタッフが大きくかかわっていました。導入しただけではなく、選手たちを安全に時刻通りに運ぶため、その後も密かに努力を続けていたのです。
今回は、ガイナーレバスの誕生秘話について、ご紹介します。
バス導入を手掛けた人はこの人
ガイナーレバスは、ガイナーレ鳥取のチームから依頼されて作ったと思っていましたが、実は流通の女性スタッフのアツい思いでできました。
ガイナーレバスを作ったのは、当時米子店でサブマネージャをしていた長谷川です。
2021年に本社部門に異動になり、現在は、業務支援部でマネージャーをしています。
やさしそうなお姉さん風の女性ですが、本人が言うには、女性の皮をかぶったおっさんだそうです。
う~ん、話を聞いていると、なんとなく納得してしまいます。
長谷川にガイナーレバスについて、インタビューしました。
ガイナーレバスを作った理由
どうしてガイナーレバスを作ろうと思ったのですか?
いろいろな試合会場にサポーターとして行っていました。試合会場では、いろいろなチームのバスを見ます。ガイナーレ鳥取も、チームのバスで県外に試合に行ったらカッコイイし、選手の気分もあがって勝てるだろうって思いました。それに自分の会社のバスがガイナーレ仕様にデザインされていて、しかも『流通』の名前も入れば、楽しいだろうなとも思いました。
サポーターさんたちも何年も前から、「ガイナーレもオリジナルデザインバスを作ればよいのに」と、言っていました。作ればよいのに、と、言っても、その人たちにはできません。みんながそう言うなら、「うちのバスで私が作るけど!」と思い、作ることにしました。
作ることにした??
実際、流通の米子店はバス会社の営業店だったりします。そしてお客様からバスの依頼を受け、バスを動かしていました。自分の会社のバスだったら、オリジナルデザインバスが作れるのではないかと、思ったのです。
そこで社長に、「流通バスをガイナーレデザインにしたいのですが、よいですか?」と聞いたら、すぐ「いいよ」と返答が! その勢いでガイナーレデザインバス作成に向け、動き出しました。
ガイナーレ鳥取のファンなんですね?
次男が子供の時からサッカーをしていてました。ガイナーレは米子のチームだったので、次男に見に行きたいと言われて、マイカーで送迎を始めました。送迎をしていた時は、ガイナーレに興味はなかったですね。
行き始めたのは、当時米子の東山で試合をしていたJFL時代からです。
息子2人がサッカーをしており、よく家族で見に行っていました。J2にあがってバードスタジアムで試合するになってからは、次男と2人で鳥取市まで良く見に行っていました。
J2の最後の年に、アウェイに初めて行って、その時ファンになりました。
初めて行ったのは岐阜の大垣。寒かったけど、いろいろ美味しいものも食べて、楽しいなと感じました。
その後、福岡、岡山などの試合行き、だんだん楽しくなってきました。旅行を兼ねて遠征試合に行くようになってから、だいたいの遠征試合には行くようになりました。
どうやってガイナーレバスを作ったの?
あのガイナーレデザインバスはどうやって作ったのですか?
バスにオリジナルデザインを加える方法は2つ。ペンキを塗るかシールを貼るかです。いろいろ考えた結果、全部でラッピングをすることにしました。
理由は、いつでも元に戻せるから。かかる費用もシールの方が安いのです。
ペンキを塗ってしまうと乾くまで大変で、元に戻せません。そして、金額を社長に伝えて承認を得ました。
社長から正式に「いいよ」と言われた時、「絶対このバスをチームの遠征で使ってもらうんだ!」と、心に誓いました。
実際のデザインについては、チームの方がほとんど作成してくれました。データをサイン屋さんに送り、車に貼ることになりました。バスにシールを張る時は、バスのための屋根が必要だと言われて、屋根付きのところを松江で借りて、シール貼りのラッピングを進めました。
9月に考えて完成したのが翌年の2月です。車庫に帰ってきたのは雪の日でした。
完成したバスはさっそく選手たちを乗せて走ったのですか?
ちょうどその頃、中国の武漢でコロナ感染の話題が出てきました。そして3月には試合が全て延期になりました。
出来上がった2月にはメディアへお披露目をしました。みんながガイナーレバスが出来たことを知って楽しみにしていたのに、延期になり、自分でもモヤモヤしていましたが、このままじっとしていたくない、早く走らせたい思いで、鳥取県を境港から鳥取市までぐるっとまわってお披露目の試走を実施しました。
あらかじめHPなどで「鳥取県内を走ります。もし見かけたら手を振ってください」と告知していたので、サポーターのみなさんがバスが立ち寄りそうな道の駅などで待っていて、写真をSNSに上げてくださいました。みんなの笑顔が嬉しかったです。
別の日には地元のテレビ局でガイナーレバスの取材を受けました。
チームにバスは使ってもらえたのですか?
ガイナーレバスについては、ホームゲームと遠征では契約者が変わります。ホームではチームが直接お金を払ってくれますが、遠征には旅行会社さんも関係してきます。
チームとの契約には、「こんなカッコいいバス作ってもらったので是非!」と快諾していただきました。
問題は遠征です。当時、旅行会社さんは別のバス会社さんを利用していました。そこにどうやって参入したらよいのか?当時、自分自身がバスに携わって間もなかったため、全くノウハウや知識がなかったのです。
最初の1年目は、残念ながら遠征にガイナーレバスは利用してもらえませんでした。
2年目は、旅行会社さんに何度も通い想いを伝えました。最後は、チームへ改めてお願いをするため、社長の江原にも同行をしてもらい、ようやくアウェイの運行契約をいただきました。
【後半に続く】やっと旅行会社さんと契約ができました。その後は順調にガイナーレバスは運行できたのでしょうか?
運行については、後半でご紹介します。