〔新春・社長インタビュー〕2023年に向けて、流通が取り組む新たな挑戦について語ります

2023年が始まりました。昨年は当社のSDGs活動で表彰を受けたり、「国民宿舎グリーンスコーレせきがね」の再整備についてが、様々なメディアに取り上げられるなど、流通の取り組みが社内外で注目される年でした。
今年の流通は、いったいどんな活動を始めるのでしょうか?

新年インタビューということで、社長の江原に聞いてみました。

昨年をふりかえって

昨年の流通の活動について、一番心に残っていることはありますか?

46期の初めから、経営方針の勉強会を始めました。
全社員を少人数グループに分け、自分の方針を伝えることからスタートさせました。流通も有難いことに、一人一人と話すのが難しい規模になってきました。きちんと全社員の方向性を合わせるような仕組みにはまだなっておらず、社長としての思いを直接伝える場を持ちたいと思っていたました。これを始められたのは、自分にとっては大きい出来事でした。

SDGs推進委員会を立ち上げましたね?

1月にSDGs推進委員会をキックオフしました。
各部署にSDGs推進委員を任命して、毎月17日を原則に、推進委員会には部署のトップも必ず出席してもらい、月一回のミーティングを毎月続けてきました。

最初の頃は、それぞれの部署が地球環境や地域貢献などを取り上げていましたが、途中から私が方向修正しました。
私は「近江商人の三方良し=買い手よし、売り手よし、世間よし」が好きで、この「三方良し」に近づかないと持続可能なものにはならないと思っています。

SDGs活動を試行錯誤でスタートさせました。2年前から始めた「ランドセルFOR ALLプロジェクト」のイメージが強いので、これは全社プロジェクトとして続けているけれども、これには売り手、買い手の概念はなく、世間良しの社会貢献のみです。

各部署が、新しいルールや小さな改善点などを、17項目のゴールの何れかに向かって、小さな改善を続けていくことでスタートしました。
前半は社内貢献や地球環境、地域貢献のような「社会良し」のジャンルばかりが増えてきたので、「自社にとってプラスになる、さらに、取引先やお客様にとってプラスになる側面をしっかり加えよう」と伝えました。推進委員会のメンバーを含め、全ての社員がかなり頭を悩ませたと思います。

ところが、12月の発表を聞くと、みんな地味なことだけど、そこにつながっています。
各部署のアイデアが社内貢献だけではなく、自分たちの働きやすさであったり、生産性向上、お客様満足にもつながっているのです。この1年間で、みんなの意識が変わったことを実感できました。

Web環境とスキルが整ってきたおかげで、12月のSDGs推進委員会は、各部署がリモートで参加していました。これがごく当たり前にできるようになったことも、すごいなと感動しました。

新オフィス棟については、いかがですか?

タイミングあって、今年に新オフィス棟に移ることができました。これは待望で、いつかはやろうと思っていました。50周年がくる5年以内には考えないといけないと思っており、タイミング見て前倒しをしました。

この時代の転換期に、コロナ禍で人が集まれないのに事業が成り立っています。
送迎バスやイベントを事業の柱にしてきましたが、時代の大きな変革期の中で、オフィスの在り方や働き方が、これからもずっと柔軟になっていくと思い、ハード面で先行して作ることにし、それが実現できました。

「国民宿舎グリーンスコーレせきがねの再整備」については、さまざまなメディアで取り上げられましたね?

私には、「自分で解決できない問題は、自分の上には降ってこない」という信念があります。

せきがねの再整備について、お誘いがあった時、好奇心から「ちょっと見てみたい」と思い見学に行きました。実際に調べ始めてみると、「これは地元企業がやらないといけないことではないか?」と、少しずつ思いが変化していました。途中から、「やれるのではないか?」と思うようになっていましたね。

「国民宿舎グリーンスコーレせきがね」は、今までいろいろな会社が再生を試みて、失敗や撤退しているところです。一筋縄ではいかない場所だというのはわかっています。「わが社が本気でやる!」と決めて、念入りに調査しプレゼンまで進めました。

企業体として優先交渉権を得てからは、たくさんの人から期待の言葉をいただき、大変なことだと改めて感じているところです。

やりがいは確実にある!と、思っています。流通が次のステップに立つためには、ここをしっかりやっていこう!流通が運営できる力を持っている! そのことを社内外に認識してもらうことで、流通が次のステップに立つ、大きなきっかけになると信じています。

 

2023年に向けて

せきがねの再整備プロジェクトは、今年どんなふうに進むのでしょうか?

3月末に議会で承認を受けて、再整備の企業体として正式に認められます。今、承認を受けるための計画を練っているとこですね。
予算に沿って提案書を書いて選ばれましたが、実際に設計を詳細に進めていくにあたり、問題や予算との兼ね合いなどを、設計チームを中心に調べているところです。本格的な準備は、3月に承認を受けてからになります。

来年度のSDGs活動はどうなっていくのでしょうか?

2022年、全部署でSDGs活動を始めようということになり、SDGs推進委員会を立ち上げました。

現在、「ランドセル FOR ALL」プロジェクトも含めた流通のSDGs活動が、たくさんのメディアに取り上げてもらったり、表彰されるようになって、やっと世間に流通のSDGs活動が認知されるようになりました。

2023年は、いよいよ事業本体をSDGs的にすることになります。
2022年初めに、SDGs推進委員会をキックオフして、ミーティングを重ね、一年経つと自分たちの仕事につながっています。
今年はもう少し進化させて、いつの間にかSDGsって言葉がなくても持続可能な社会に、そして地球にと、きれいにつなげていきたいですね。

その他に、流通のビジネスでやっていこうと思っていることはありますか?

今、コロナ禍で中止になっていた集客型イベントや、貸切バスを伴う観光旅行事業が、確実に復旧していくのを感じています。せっかくなので、その波にはきちんと乗りたいですね。
過去に日本中がインバウンドブームに沸いていたときに、我々はそれにはうまく乗れなかった苦い経験があるので、今回は、そんなチャンスを確実につかみたいですね。

江原らしい取り組み

多く社員が、江原社長のことを新しいもの好きで、特にIT技術をいち早く採用すると言っています。

デジタル化やDXにそれほど詳しいわけではありません。人が手で作業していることを、機械にできるのであれば、シフトさせていけばよいと思っています。人間しかできない「考える時間」、「コミュニケーションの時間」などに集中させていければ、我々はサービス業として、お客様に何らかのサービスを喜んでいただく、その時間を増やしていけます。社員の時間が有効につながるのであれば、これからもどんどん取り入れていきます。

この新オフィス棟はフリーアドレスを前提にいろいろなハードやソフトを揃えました。その結果、必然的にどこでも働けるツールが揃いました。
社員本人は元気なんですが、「家族がコロナに罹って、家にいないといけないんです」と、言う場合にも、在宅で仕事をしています。これは非常に良い結果をもたらしました。
私は残念ながら、家では仕事ができないタイプです。在宅ワークがどうも苦手で…。

流通は、性別や年齢、雇用形態にかかわらず、人材活用をうまく活用しているように見えます。

先日、「とっとりSDGsビジネスアワード特別賞」いただきました。その授賞式の基調講演で、日本テレビ アナウンサーの鈴江さんが、「ジェンダー指数トップのアイスランド(日本は116位)について話をされていました。アイスランドは20年前に「クォーター制度」を法律で義務付けて、会社の管理職や国会議員、役所などの男女比率を4人一人は女性にすると法律に決めてから、変わり始めたそうです。

流通は部署によっては半数以上が女性の部署もありますが、まだ半分にはなっていません。でも全体では40%に近づきつつあり、業種の中では頑張っているほうだと思います。
シニア比率や男女比率が、地域社会と似たような割合になっていってるのが自然な形で、それをビジネスでもできると思っています。女性やシニアもまだまだこれから増えていくのが、流通にとって自然だと思っています。
我々の事業の半分を占める貨物・物流の分野はまだまだ男社会です。女性やシニアでも働きやすい仕事を業務開発していき、貨物・物流の分野における違ったビジネスモデルとして、挑戦していきたいですね。

プライベート

今年、プライベートで何か挑戦したいと思っていることがありますか?

「せきがねのプロジェクト」のコンセプトを決めるとき、ターゲットの一つとして、ペット、特に犬を連れた旅行者が挙がりました。
そんな時に偶然出会いがあって、ラブラドールレトリバーの子犬を飼い始めました。毎晩帰宅してから散歩をしていると、久しぶりに走りたいと思うようになりました。

江原ファミリーの一員になったエイト君

コロナ禍で大会でマラソンの大会が中止になりました。それまでは年に何回かエントリーして出場したり、出張にはランニングシューズを持っていき、観光がてらランニングをしていました。走るパートナーができたので、本格的に再開しようかなと考えています。

また、せきがねのプロジェクトでは、犬連れの他に、サイクリストと地元、3世代旅行をターゲットにしています。これらターゲット向けの全てのサービスをまず自分で体験して、先進事例として持ち帰りたいですね。

(インタビュー 了)
社長インタビューは定期的にWebで公開していきます。

 

 

 

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